あのころ
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6月14日
小さな頃は次から次へと色々な疑問が浮かんでは消え、好奇心が盛んだった。親にはしょっちゅううるさがられいて、最後には俺の手には大きすぎる広辞苑を買って来て「質問する前にこれを読んで自分で調べなさい」と言われたのだった。
それからはしばらくの間、俺は辞書の虜になった。毎日毎日分からないことを調べる時以外でも辞書をあさっていた。多分今まで生きてきた中であのころが一番知的好奇心が旺盛だったのだろう。まぁ、残念なことにその時読んだ広辞苑の中身などほとんど覚えてもいないのだが。
小学生の頃の俺は塾に行っていたせいもあってクラスの中では勉強の出来るほうだった。あの時勉強を頑張っていた理由の一つにタカがいる。タカは女の子だ。たしか貴子とか孝美という名前だったと思う。特に人より勉強してるわけでもないのに頭が良く、そして明るくてうるさい女の子だった。勉強からスポーツから何から何まで俺たちは似ていて、いつも張り合っていた。テストの点が少しでもいいと小憎らしい笑顔をこっちに見せ、少し俺よりも悪いときは「な、何よ!そんなのまぐれじゃん」と可愛くない負け惜しみを言うやつだった。

続きはまた今度にしよう。久々の休日だからといって朝から酒を飲みすぎたようだ。これから悟の世話もしなくてはいけないのに。